バカなりに理解したエネルギー管理士 熱の解説

エネルギー管理士熱分野の過去問を解説します。

令和元年度 課目Ⅱ 問題5-7~9,A~Cの解説

令和元年

課目Ⅱ 問題5-7~9,A~Cについて解説します。

問題文は、最小限の簡略化した

記載に留めますので、

参考書や過去問をご覧になりながら

解説を見ていただくことをお勧めします。

※過去問は以下のURL先から無料で
ダウンロードできます。

https://www.eccj.or.jp/mgr1/test/answer.html

 

【問題5-7】

ランキンサイクルの理論効率ηは公式より、

(蒸気タービンの仕事に発電相当する熱量ー給水ポンプでの仕事に相当する熱量)

÷(ボイラでの飽和水から加熱蒸気までの加熱 量)

で表される。

蒸気タービンST2がない場合のサイクルの理論効率η1は、

η1={(h3-h4a)-(h2-h1)}÷(h3-h2)

 (h3-h4a)→蒸気タービンST1の発電仕事に相当する熱量

(h2-h1)→給水ポンプでの仕事に相当する熱量

(h3-h2)→ボイラでの飽和水から加熱蒸気までの加熱量

 

【問題5-8】

ランキンサイクルの理論効率ηは公式より、

(蒸気タービンの発電仕事に相当する熱量ー給水ポンプでの仕事に相当する熱量)

÷(ボイラでの飽和水から加熱蒸気までの加熱量)

で表される。

蒸気タービンST2がある場合のサイクルの理論効率η2を求める。

給水ポンプによる仕事を無視するとなっているので、

蒸気タービンの発電仕事に相当する熱量÷ボイラでの飽和水から加熱蒸気までの加熱量

を求める。

η2={(h3-h4)+(h5-h6)}÷{(h3-h1)+(h5-h4)}

(h3-h4)→蒸気タービンST1の発電仕事に相当する熱量

(h5-h6)→蒸気タービンST2の発電仕事に相当する熱量

(h3-h1)→ボイラでの飽和水から加熱蒸気までの加熱量

(h5-h4)→ボイラの再熱による加熱量

 

【問題5-9】

乾き度は公式x=(s-s')/(s''-s')より求められる

(x=乾き度、s=比エントロピー、s'=飽和水状態の比エントロピー

s''=乾き飽和蒸気状態の比エントロピー)

 

状態6の時の乾き度x6は、

乾き度を求める公式x=(s-s')/(s''-s')に、

状態6の時の比エントロピーs、飽和水状態の比エントロピーs'、

乾き飽和蒸気状態の比エントロピーs''を代入すれば求められる。

状態6の時の比エントロピーs=s5なので(等エントロピー変化)

x6=(s5-s')/(s''-s')

 

【問題5-A】

x6=(s5-s')/(s''-s')に表1,2の数値を代入すると、

x6=(6.819-0.5591)/(8.277-0.5991)=0.8110=8.11×10⁻¹

 

【問題5-B】

比エンタルピーは、

公式h=h’+x(h''ーh')で求められる。

(h=比エンタルピー、x=乾き度、h'=飽和水状態の比エンタルピー、

h''=乾き飽和蒸気状態の比エンタルピー)

状態6のエンタルピーh6は、

エンタルピーを求める公式に状態6の数値を代入すると求められる。

h6=h'+x(h''-h')=163.4+0.8110×(2573-163.4)=2117=2.12×10³kJ/kg

 

【問題5-C】

η2={(h3-h4)+(h5-h6)}/{(h3-h1)+(h5-h4)}

(問題5-8で導出。)

数値を代入すると、

η2={(3076-2877)+(3163-2117)}/{(3076-163.4)+(3163-2877)}

=0.3892=3.89×10⁻¹

 

 

以上、
課目Ⅱ 問題5-7~9,A~Cの解説でした。