バカなりに理解したエネルギー管理士 熱の解説

エネルギー管理士熱分野の過去問を解説します。

平成29年度 課目Ⅱ 問題5-A~F、問題5-10,11の解説

平成29年

課目Ⅱ 問題5-A~F、問題5-10,11について解説します。

問題文は記載しませんので、

参考書や過去問をご覧になりながら

解説を見ていただくことをお勧めします。

※過去問は以下のURL先から無料で
ダウンロードできます。

https://www.eccj.or.jp/mgr1/test_past/index.html

 

【問題5-10】 

エントロピーsを求める公式より、

s=s'+x(s''-s') 

(x=乾き度、s'=飽和水の比エントロピー、s''=飽和蒸気の比エントロピー)

 

【問題5-A】 

エントロピーsを求める公式から式変形し、

乾き度xを求める。

s=s'+x(s''-s')

x=(s-s')/(s''-s')=(6.9778-0.4763)/(8.3839-0.4763)=0.8221=8.22×10⁻¹

 

【問題5-B】 

 比エンタルピーhは公式より、

 h=h’+x(h"-h')

(x=乾き度、h'=飽和水の比エンタルピー、h''=飽和蒸気の比エンタルピー)

 乾き度x及びh'、h''の値を代入する。

=137.77+0.8221×(2560.77-137.77)

=2129.718=2.13×10³kJ/kg

 

【問題5-11】 

抽気量mbは、

以下の式で求められる。

mb=(hF-hD)/(hB-hD)

hF-hD⇒抽気蒸気によってD点の給水が得るエンタルピー

hb-hD⇒抽気前の蒸気(b点)と給水(D点)のエンタルピー差

(hF-hD)/(hB-hD)より、抽気蒸気の割合(kg)が求められる。

 

【問題5-C】 

 問題5-11の式より、

 mb=(hF-hD)/(hB-hD)=(610.89-137.77)/(2780.62-137.77)=0.1790=1.79×10⁻¹kg

 

 

【問題5-D】 

 抽気を給水予熱に利用した場合のサイクルの理論効率ηは、

 η1={(hA-hC)-mB(hB-hC)}/(hA-hF)

 ={(3434.48-2129.718)-0.1790×(2780.62-2129.718)}÷(3434.48-610.89)

 =0.4208=4.21×10⁻¹

 サイクルの理論効率ηは、

蒸気から使用した熱量(エンタルピー)÷ボイラが与えた熱量(エンタルピー)

で求められる。

抽気を給水予熱に利用した場合のサイクルの理論効率ηでは、

蒸気から使用した熱量(エンタルピー)⇒(hA-hC)-mB(hB-hC)…抽気分を差し引く。

ボイラが与えた熱量(エンタルピー)⇒hA-hF…Fまでの予熱は抽気(蒸気)で行う。

よって、η1={(hA-hC)-mB(hB-hC)}/(hA-hF)となる。

 

【問題5-E】 

 抽気をしない場合のサイクルの理論効率η0は、

 η0=hA-hC/hA-hD=(3434.48-2129.718)/(3434.48-137.77)=0.3957=3.96×10⁻¹

 サイクルの理論効率ηは、

蒸気から使用した熱量(エンタルピー)÷ボイラが与えた熱量(エンタルピー)

で求められる。

抽気をしない場合のサイクルの理論効率η0では、

蒸気から使用した熱量(エンタルピー)⇒hA-hC

ボイラが与えた熱量(エンタルピー)⇒hA-hD

よって、η0=hA-hC/hA-hDとなる。

 

【問題5-F】 

 抽気をしない場合のサイクルの理論効率η0を基準とした効率向上率は、

 (η1-η0)/η0=(0.4208-0.3957)/0.3957=0.0634=6.3%

 

以上、
課目Ⅱ 問題5-A~F、問題5-10,11の解説でした。