バカなりに理解したエネルギー管理士 熱の解説

エネルギー管理士熱分野の過去問を解説します。

平成29年度 課目Ⅲ 問題10-A~J、問題10-1~10

平成29年

課目Ⅲ 問題10-A~J、問題10-1~10について解説します。

問題文は記載しませんので、

参考書や過去問をご覧になりながら

解説を見ていただくことをお勧めします。

※過去問は以下のURL先から無料で
ダウンロードできます。

https://www.eccj.or.jp/mgr1/test_past/index.html

 

【問題10-1~3】 

セルロースの燃焼反応式より、

C6H10O5+6O2=6CO2+5H2O

 

【問題10-4,5】 

セルロース単体の分子量が162なので、

セルロース1kgに含まれる単量体のモル数は1/162kmol

 セルロース1kgを完全燃焼させたときに発生するCO2の体積は、

1kmolは22.4m3なので、6×22.4/162m3

 

【問題10-6】 

炭素の原子量は12なので、1kgあたりの炭素量は1/12kmol。

重油1kg中に炭素が0.87kg含まれているので炭素が完全燃焼する場合の

反応式C+O2=CO2よりCO2の体積Vcoは、

 Vco=0.87×22.4/12=1.624となる。

 

【問題10-7】 

木炭バイオマス1kgに含まれる水分量W1は、

水分含有率が質量基準で40%であるため、

1×0.4=0.4kg

  

【問題10-A】 

H2Oの分子量は1×2+16=18

セルロース1kgを完全燃焼させたときに発生するH2O量は、

セルロースの燃焼反応式より、5×18/162kg

よって、セルロース0.6kgが燃焼することで発生するH2O量W2は、

W2=0.6× 5×18/162=0.333kg

木質バイオマス1kgの低発熱量は、

木質バイオマスの高発熱量(19.5)×水分を除いた質量(0.6)から

水分の蒸発潜熱(0.4+0.333)×2.44を引くことで求められる。

19.5×0.6-(0.4+0.333)×2.44=9.911=9.91MJ/kg

 

【問題10-B】 

 

重油の低発熱量は42,3MJ/kg。

木質バイオマスの低発熱量を重油の低発熱量で割ることで、

重油何kgあたりの低発熱量かを求めることができる。

9.911/42.3=0.2342=2.34×10⁻¹kg 

 

【問題10-C】 

重油2.342×10⁻¹kgあたりのCO2排出量は、 

0.87×22.4/12×0.2342=0.3805=3.81×10⁻¹m3 

※題意よりCO2削減量となっているが、

木質バイオマスカーボンニュートラルとみなされるため、

木質バイオマスの燃焼によるCO2発生量を差し引く必要はない。

 

【問題10-8】 

重油1kgを完全燃焼したときに発生するH2O量VH2O0を求める。

水素の原子量は1なので1kgの水素は1kmolとなる。

重油1kgに含まれる水素量は0.13kg。

水素の燃焼反応式はH+1/4O2=1/2H2O

⇒水素1kmol辺りH2Oが1/2kmol発生する。

1kmolの体積は22.4m3。

よって、

VH2O0=0.13×22.4/2=1.456m3

 

【問題10-D】 

重油1kgに炭素が0.87kg、水素が0.13kg含まれているので、

理論酸素量VO0は、

VO0=0.87×22.4/12+0.13×22.4/4=2.352=2.35m3/kg

 

【問題10-9】 

 空気中の酸素の体積割合は0.21

 

【問題10-E】 

 空気中の酸素の体積割合は0.21、窒素の体積割合は0.79。

燃焼ガス中に含まれるN2量VN0は、

理論空気量(VO0/0.21)×空気中の窒素割合0.79で求められる。

VN0=(VO0/0.21)×0.79=(2.352/0.21)×0.79=8.848=8.85m3

 

【問題10-F】 

余剰空気量VA0は、

VA0=(VO0/0.21)×(1.2-1.0)=(2.352/0.21)×(1.2-1.0)=2.240m3

 全湿り燃焼ガス量は、

VG0=Vc₀+VH2O0+VN0+VA0

=1.624+1.456+8.848+2.240=14.168=1.42×10¹m3

 

【問題10-10】 

 セルロースの燃焼反応式より、発生するH2O量VH2O1は、

VH2O1=5×22.4/162=0.691m3

 

【問題10-G】 

セルロースの燃焼に必要な酸素量VO1は燃焼反応式より、

VO1=6×22.4/162=0.829=0.83m3/kg 

燃焼ガス中に含まれるN2量VN1は、

理論空気量(VO1/0.21)×空気中の窒素割合0.79で求められる。

VN1=(Vo₁/0.21)×0.79=(0.829/0.21)×0.79=3.118=3.12m3

 

【問題10-H】 

余剰空気量VA1は、

VA1=Vo₁/0.21×(1.4-1.0)=(0.829/0.21)×(1.4-1.0)=1.579

全湿り燃焼ガス量は、

VG1=Vo₁+VH2O1+VN1+VA1

=0.829+0.691+3.118+1.579=6.217=6.22m3

 

【問題10-I】 

木質バイオマス1kgを空気比1.4で燃焼した場合の全湿り燃焼ガス量を求める。

木質バイオマス1kgはセルロース0.6kg+水0.4kgなので、

VG1×0.6+0.4×(22.4/18)=6.217×0.6+0.4×22.4/18=4.227=4.23m3

 

【問題10-J】 

木質バイオマス1kgを燃焼したときと同じ熱量を発生させるために、

重油を空気比1.2で燃焼した場合の全湿りガス量は、

VG0×0.2343=14.168×0.2343=3.319=3.32m3

 (0.2343は問題10-Bで求めた木質バイオマス重油換算値) 

 

以上、
課目Ⅲ 問題10-A~J、問題10-1~10の解説でした。