令和元年度 課目Ⅲ 問題10-1~7,A~Jの解説
令和元年度
課目Ⅲ 問題10-1~7,A~Jについて解説します。
問題文は、最小限の簡略化した
記載に留めますので、
参考書や過去問をご覧になりながら
解説を見ていただくことをお勧めします。
※過去問は以下のURL先から無料で
ダウンロードできます。
https://www.eccj.or.jp/mgr1/test/answer.html
【問題10-1~6)】
メタンとエタンが完全燃焼する場合の反応式は、
メタン→CH4+2O2=1CO2+2H2O
エタン→C2H6+7/2O2=2CO2+3H2O
【10-A】
燃料1m3中にメタンが0.9m3含まれているので、
理論酸素量VO2(0)は、
VO2(0)=0.9×2=1.8m3/m3
(2は燃焼反応式で求めたメタン1m3の燃焼に必要な酸素の体積)
燃料1m3中にエタンが0.1m3含まれているので、
理論酸素量VO2(1)は、
VO2(1)=0.1×7/2=0.35m3/m3
(7/2は燃焼反応式で求めたエタン1m3の燃焼に必要な酸素の体積)
燃料1m3に必要な理論酸素量VO2は、
VO2=VO2(1)+VO2(1)=1.8+0.35=2.15m3/m3
【10-B】
大気中の酸素の体積割合が21%であることから、
理論空気量V1は、
V1=2.15/0.21=10.23=10.2m3/m3
(理論酸素量÷酸素の体積割合)
【10-C】
燃料1m3を完全燃焼させた時に発生するCO2量VCO2は、
VCO2=0.9×1+0.1×2=1.10m3/m3
(1は燃焼反応式で求めたメタン1m3の燃焼によって発生するCO2の体積)
(2は燃焼反応式で求めたエタン1m3の燃焼によって発生するCO2の体積)
【10-D】
燃料1m3を完全燃焼させた時に発生するH2O量VH2Oは、
VH2O=0.9×2+0.1×3=2.10m3/m3
(1は燃焼反応式で求めたメタン1m3の燃焼によって発生するH2Oの体積)
(2は燃焼反応式で求めたエタン1m3の燃焼によって発生するH2Oの体積)
【10-E】
湿り燃焼ガス量V'は、発生するCO2とH2Oと残った酸素と窒素なので、
V'=VCO2+VH2O+V1(1.0-0.21)×1.2+VO2(1.2-1.0)
=1.10+2.10+10.23×0.79×1.2+2.15×0.2=13.32=13.3m3/m3
【10-F】
メタンの低発熱量35.8MJ/m3、エタンの低発熱量63.8MJ/m3より、
燃料1m3の低発熱量=38.5×0.9×63.8×0.1=38.6MJ/m3
【10-G】
平均定圧比熱1.38kJ/m3Kと
公式Q=mCΔTより、
1×1.38×(300-50)=345kJ/m3=3.45×10¹MJ/m3
【10-H】
利用できる熱量は、燃料1m3の低発熱量38.6MJ/m3の86.9%と
湿り燃焼ガス量V'から回収される熱量なので、
利用できる熱量=38.6×0.869+13.32×0.345=38.13
ボイラの熱効率=(38.13/38.6)×100=98.78=98.8%
(利用できる熱量÷燃料1m3(メタン0.9+エタン0.1)の低発熱量)
【10-7】
水蒸気の原子量は18であることから1kgの水蒸気は1/18kmol
(水蒸気1kmolで18kgであるため。)
【10-I】
水蒸気1m3当たりの凝縮潜熱は、
2.44×(18/22.4)=1.960=1.96MJ/m3
(2.44[MJ/kg]は水蒸気の凝縮潜熱)
(水蒸気は22.4m3あたり18kgであるため、1m3の水蒸気の重さは18/22.4kgとなる。)
【10-J】
燃料1m3を完全燃焼させたときに発生する水蒸気量VH2Oは、
2.1m3/m3であることから(10-Dで導出)、利用できる熱量は、
38.6×0.869+13.32×0.345+2.1×0.22×1.960=39.04
ボイラの熱効率=39.04/38.6×100=101.1=1.01×10²%
以上、
課目Ⅲ 問題10-1~7,A~Jの解説でした。