平成27年度 課目Ⅲ 問題10-7~9),D~K)の解説
平成27年度
課目Ⅲ 問題10-7~9),D~K)について解説します。
問題文は、最小限の簡略化した
記載に留めますので、
参考書や過去問をご覧になりながら
解説を見ていただくことをお勧めします。
※過去問は以下のURL先から無料で
ダウンロードできます。
https://www.eccj.or.jp/mgr1/test_past/index.html
【問題 10-D】
重油を燃焼したときの発生熱量Q[MJ/h]は、
Q=H0×W0=42.3×80=3384=3.38×10⁴MJ/h
(H0は重油の低発熱量[MJ/kg]、W0は燃料使用量[kg/h])
【問題 10-E】
・Weq[m3/h]⇒重油と同じ発生熱量を維持するためのメタンの供給流量。
・Q[MJ/h]⇒重油を燃焼したときの発生熱量(問題10-Dで導出)
・Hch4[MJ/m3]⇒メタンの低発熱量(問題文に記載)。
Weq=Q/Hch4=3384/35.8=94.525→94.5m3/h
【問題 10-F】
重油燃焼時のCO2発生量Vco₂'は
Vco₂'=Vco₂×W0=1.624×80=129.92[m3/h]…①
(W0⇒重油の使用量(問題文に記載))
メタン1m3燃焼時のCO2発生量は1m3となる。
(メタンの燃焼反応式はCH4+2O2=CO2+2H2Oであり、
メタンとCO2の分子数が同じであるため発生する体積は同じとなる。)
重油と同じ発熱量分のメタンを燃焼した場合のCO2発生量は、
Vco₂''=1(メタン燃焼時のCO2発生量)×Weq
(Weqは問題10-Eで導出⇒重油と同じ発生熱量を維持するためのメタンの供給流量。)
=1×94.525=94.525[m3/h]…②
メタンに燃料を変えたことによるCO2の低減量ΔVco₂は、
ΔVco₂=①-②=129.92-94.525=35.395=35.4m3/h
【問題 10-7】
燃焼反応で発生する物は、
炭素⇒CO2
水素⇒H2O
メタン⇒CO2+H2O
重油(炭素+水素)⇒CO2+H2O
なので発生するのはCO2とH2O
【問題 10-8】
空気中にあって燃焼に関与しない成分はN2
【問題 G】
重油1kgを理論燃焼させたときの燃焼湿りガス量VG0o[m3/kg]は、
VG0o=Vco2+VH2O+(1-0.21)×VA0
=1/12×22.4×0.87+1/2×22.4×0.13+0.79×11.20
=1.624+1.456+8.848=11.928=11.9m3/kg
燃焼湿りガス量は燃料の燃焼によってできるガスと水分を合計することで求められる。
・Vco2(燃焼反応での重油1kgあたりのCO2排出量)は問題10-Cで導出。
・VH2O(燃焼反応での重油1kgあたりのH2O排出量)は、
水素の燃焼反応式でできるH2Oの体積(22.4m3)×重油1kgあたりの水素使用量(1/2×0.13)
・(1-0.21)は燃焼に関わらない成分であるN2の割合
・VA0(理論空気量)は問題10-Bで導出。
【問題 H】
メタン1m3を燃焼させたときの理論湿り燃焼ガス量VG0c[m3/m3]は、
VG0c=Vco2+VH2o+(1-0.21)VA0
=1+2+0.79×2/0.21=10.524=10.5m3/kg
【問題 I】
燃料をメタンに転換転換したときの理論湿り燃焼ガスの差VG0は、
VG0=VG0c×Weq-VG0o-Wo
=10.524×94.525-11.928×80
=994.781-954.24=40.541=40.5m3/h
【問題 9】
空気比αで燃焼したときに発生する湿り燃焼ガス量VGは、
VG=VG0+VA0(α-1)となる。
・VG0は空気比1の湿り燃焼ガス量
・VA0(α-1)は理論空気量×(空気比-1)なので反応しきれない余剰空気である。
【問題J】
空気比=1.3で重油を80kg燃焼した場合の燃焼ガス量VG0は、
VG0={VG0O+VA0(α-1)}WO
={11.928+11.20×(1.3-1)}×80=15.288×80=1223.04=1.22×10³m3/h
【問題K】
メタンを燃焼し、湿り燃焼ガス量VGc=1100m3/hの場合
VGc={VG0c+VA0(α-1)}Weqの式から空気比αは、
α-1=(VGc/Weq-VG0c)/VA0
α=(VGc/Weq-VG0c)/VA0+1…③
メタンWeq=94.525m3を燃焼させたとき
VGc/Weq=1100/94.525=11.637m3/kg…④
④を③に代入すると、
α={(11.637-10.524)/(2/0.21)}+1=0.117+1=1.117=1.12
以上、
課目Ⅲ 問題10-7~9),D~K)の解説でした。