バカなりに理解したエネルギー管理士 熱の解説

エネルギー管理士熱分野の過去問を解説します。

平成29年度 課目Ⅳ 問題15-A~Dの解説

平成29年

課目Ⅳ 問題15-A~Dについて解説します。

問題文は記載しませんので、

参考書や過去問をご覧になりながら

解説を見ていただくことをお勧めします。

※過去問は以下のURL先から無料で
ダウンロードできます。

https://www.eccj.or.jp/mgr1/test_past/index.html

 

【問題15-A】

高温流体側の交換熱量Qhは、

公式Q=mCΔTより、

Qh=mh×Cph×(Th1-Th2)

=2×4×(90-45)=360kW

(mh=高温流体の質量流量、Cph=高温側の比熱、

高温流体の入口温度=Th1、高温流体の出口温度=Th2)

 

【問題15-B】

 低温流体側の交換熱量Qcは高温流体側の交換熱量Qhと等しい。

Qc=Qh=360kw(問題15-Aで導出)

公式Q=mCΔTより、

Qc=mc×Cpc×(Tc2-Tc1)

⇒Tc2={Qc/(mc×Cpc)}+Tc1

Tc2={360/(5×2)}+20=56.0℃

低温側流体の温度効率は公式より、

ηc=ΔTc/(Th1-Tc1)※1

(ηc=低温側温度効率、ΔTc=低温側入口から出口の温度差、

高温流体の入口温度=Th1、低温流体の入口温度=Tc1) 

⇒ηc=(Tc2-Tc1)/(Th1-Tc1)

=(56-20)/(90-20)=0.5142=51.4%

 

※1の意味は低温側流体の温度効率=低温側入口から出口の温度差÷最大温度差(高温側入口温度ー低温側入口温度)である。

同様にしてηh=ΔTh/(Th1-Tc1)を求めることもできる。

 

【問題15-C】

交換可能な熱交換量Qmaxは、

Th2=Tc1になったときに実現される。

公式Q=mCΔTより、

Qh=mh×Cph×(Th1-Th2)

⇒Th2=Tc1のとき、Qh=Qmaxとなるので、

Qmax=mh×Cph×(Th1-Tc1)

Qmax=2×4×(90-20)=560kW

エネルギー効率ηは公式より、

ηe=Qh/Qmax

=360/560=0.6428=0.643=64.3%

 

【問題15-D】

高温側流体の温度効率は公式より、

ηh=ΔTh/(Th1-Tc1)

(ηh=高温側温度効率、ΔTh=高温側入口から出口の温度差、

高温流体の入口温度=Th1、低温流体の入口温度=Tc1)

 

高温流体の温度効率ηhが55%となるときの

Th2の温度を求める。 

⇒ηh=(Th1-Th2)/(Th1-Tc1)≧0.55

Th2=Th1-{0.55×(Th1-Tc1)}=90-0.55×(90-20)=51.5℃

 よって、Th2=51.5℃以上で清掃に着手すればよい。

 

以上、
課目Ⅳ 問題15-A~Dの解説でした。