バカなりに理解したエネルギー管理士 熱の解説

エネルギー管理士熱分野の過去問を解説します。

平成27年度 課目Ⅱ 問題7-A~E

平成27年

課目Ⅱ 問題7-A~Eについて解説します。

問題文は、最小限の簡略化した

記載に留めますので、

参考書や過去問をご覧になりながら

解説を見ていただくことをお勧めします。

※過去問は以下のURL先から無料で
ダウンロードできます。

https://www.eccj.or.jp/mgr1/test_past/index.html

【問題7-A】

・熱抵抗の合計(R12)を求める

 

熱抵抗の合計(R12)は

R12=R1+R2で求められる。

熱抵抗R1、R2はそれぞれ

R1=ℓ/(λ1A1)、 R2=ℓ/(λ2A2)で求められる

(ℓ=厚さ、λ=熱伝導率、A=伝熱面積を表す)

よって、

R12=ℓ/(λ1A1)+ℓ/(λ2A2)

数値を代入すると

R12=0.26/(1.2×1)+0.11/(0.25×1)=6.57×10⁻¹

 

【問題7-B】

 

・炉壁を通過する伝熱量(q12)を求める

q12は以下の式で求められる

q12=(T1-T2)/(R12×A)(Aは伝熱面積)

数値を代入すると

q12=(1250-87)/(0.6566×1)=1771=1.77×10³W/m

 

【問題7-C】

・耐熱レンガ表面からの周囲への放射伝熱量(qr)を求める

放射伝熱量(qr)はqr=εσ(Ta⁴-Tb⁴)で求めることができる

(ε=放射率、σ=ステファンボルツマン定数)

題意よりqr=εσ(T2⁴-T0⁴)

(T2=断熱レンガ外気側表面温度、T0=加熱炉周囲温度(外気温度))

 

 数値を代入すると、

qr=0.820×5.67×10⁻⁸×{(273+87)⁴-(273+27)⁴}=404.3=404W/m

 

【問題7-D】

 ・断熱レンガ表面における対流伝達率(h)を求める。

対流伝達量qcは以下の式で求められる

・qc=q12―qr…①

・qc=h(T2-T0)…②

(h=対流伝達率)

①に数値を代入すると

qc=1771-404=1367W/m²

②を式変形すると

h=qc/(T2-Ta)…③

③に数値を代入すると

h=1367/(87ー27)=22.8 W/m²k

 

【問題7-E】

・ 表面温度が87℃⇒67℃となったとき断熱レンガは110mm⇒何ミリになるかを求める

断熱レンガの厚さを変更したときの熱抵抗の合計(R12')は、

R12'=ℓ/(λ1A1)+X/(λ2A2)…④となる(X=断熱レンガの厚さ)

 このとき炉壁を通過する伝熱量q12'は、

q12'=(T1-T2')/(R12'×A)…⑤となる。(T2=レンガの厚さを増した後の外気側表面温度)

断熱レンガの厚さ変更後の放射伝熱量(qr')を求める

qr'=εσ(T2'⁴-T0⁴)=0.820×5.67×10⁻⁸×{(273+67)⁴-(273+27)⁴}=244W/m²

断熱レンガの厚さ変更後の対流伝熱量(qc')を求める

qc’=h(T2’-T0)=22.8×(67-27)=912W/m²

qc=q12―qr(①)よりq12’=qr’+qc’…⑥

⑤、⑥より、

qr’+qc’=(T1-T2')/(R12'×A)…⑦

④、⑦より、

qr'+qc'=(T1-T2')/{ℓ1/(λ1A1)+X/(λ2A2)}×A

Xを求める式に変形する。

⇒(qr'+qc')×{ℓ1/(λ1A1)+X/(λ2A2)}×A=(T1-T2')

 ⇒{ℓ1/(λ1A1)+X/(λ2A2)}×A=(T1-T2')/(qr'+qc')

 ⇒{ℓ1/(λ1A1)+X/(λ2A2)}×A=(T1-T2')/(qr'+qc')

⇒ℓ1/(λ1A1)+X/(λ2A2)=(T1-T2')/{(qr'+qc')×A}

⇒X/(λ2A2)=(T1-T2')/{(qr'+qc')×A}ーℓ1/(λ1A1)

X={(T1-T2')/{(qr'+qc')×A}ーℓ1/(λ1A1)}×(λ2A2)

⇒数値を代入する。

X={(1250-67)/{(244+912)×1}ー0.26/(1.2×1)}×(0.25×1)

=0.2016m=202mm

以上、
課目Ⅱ 問題7-A~Eの解説でした。