バカなりに理解したエネルギー管理士 熱の解説

エネルギー管理士熱分野の過去問を解説します。

平成28年度 課目Ⅱ 問題4-3)

平成28年

課目Ⅱ 問題4-3)について解説します。

問題文や図は、最小限の簡略化した

記載に留めますので、

参考書や過去問をご覧になりながら

解説を見ていただくことをお勧めします。

※過去問は以下のURL先から無料で
ダウンロードできます。

https://www.eccj.or.jp/mgr1/test_past/index.html


【問題4】
【問題4の条件】
・断面積sのピストンシリンダ系
・シリンダ内は理想気体
・ピストンは可逆的に動ける
・質量m、比熱比κ、定圧比熱Cp、定容比熱Cv、
気体定数R、とする

・圧力P、温度T、体積V、
添字0~3は状態0~3の各状態を表す。
添字eは周囲環境を表す。
・周囲環境はピストンの状態に関わらず一定
・P0=Pe、T0=Te
(初期状態(添字0)では圧力と温度が
周囲環境(添字e)と等しい)

【問題4-3)の条件】
・2)の変化及びそれ以降の変化について、
比熱比k=1.4、
定容比熱Cv=0.717kJ/(kg.K)、
シリンダの断面積S=2m*2とする

・初期条件は、
T0=Te=300k、
P0=Pe=0.1MPa、
V0=2m*3とする

【問題4-3)①の解説】
【条件】
・状態2で加えた力は、
F2=6×10*5N

【解説】
・シリンダ内と周囲の圧力差を求める

ΔP×S=Fより、
(N/m×m*2=Nm)

ΔP=F/Sとなる

よって、

(6×10*5)/2=3×10*5(Pa)→3×10*-1(MPa)となる

【問題4-3)②の解説】
【条件】
・状態2から、Fを低下させ、
P2=Peになるまで、可逆断熱変化させた
・この状態を状態3とする
・P3=0.1MPa

【Bの解説】
体積V3を求める

可逆断熱変化なので、

P2V2*k=P3V3*kより

以下、式変形

P2/P3=(V3/V2)*k

→(P2/P3)*(1/k)=V3/V2

→V3=(P2/P3)*(1/k)×V2

となります

数値を代入すると、

V3=5.4となる

【Cの解説】
シリンダの移動距離Δxを求める

x3=V3/S=2.7m…(1)

x0=V0/S=1m…(2)

Δx=(1)-(2)=1.7mとなる

【問題4-3)③の解説】
②の変化で、ピストンが外部にした仕事を求める

W=(1/(k-1))(P2V2-P1V1)=0.65×10*(-1)[MJ]となる

【問題4-3)④の解説】
【Eの解説】
2)で加えた熱量Qを求める

・Q=mCvΔT→Q=mCv (T2-T0)…式1

PV=mRTより
・P0V0=mRT0…式2
・P2V2=mRT2…式3

式3-式2より

・m(T2-T0)=(P2V2-P0V0)/R…式4

式4を式1に代入

・Q=Cv/R×(P2V2-P0V0)…式5

Cp-Cv=R(マイヤーの式)とk=Cp/Cvより

Cv/R=Cv/(Cp-Cv)←分母分子に×1/Cv

→1/((Cp/Cv)-1)=1/(k-1)

式5にCv/R=1/(k-1)を代入

Q=1/(k-1)×(P2V2-P0V0)

上式に数値を代入すると、

1.5MJとなる

【⑥の解説】

Q/Wより、
1.5/0.65=2.30となるので、
1より大きい(ウ)となる。

以上、
課目Ⅱ 問題4-3)の解説でした。