平成28年度 課目Ⅲ 問題E~H)
課目Ⅲ 問題10-E~H)について解説します。
問題文は、最小限の簡略化した
記載に留めますので、
参考書や過去問をご覧になりながら
解説を見ていただくことをお勧めします。
※過去問は以下のURL先から無料で
ダウンロードできます。
https://www.eccj.or.jp/mgr1/test_past/index.html
【問題10-E】
・ポリプロピレン1kgを空気比1.3で完全燃焼したときの定圧比熱を求める。
定圧比熱は、
C=(1.3mN2×CN2+0.3mO2×CO2+mCO2×CCO2+mH2O×CH2O)
÷(1.3mN2+0.3mO2+mCO2+mH2O)…①
で求められる。
※1.3及び0.3は空気比である。O2(酸素)分が0.3となっているのは、
燃焼により理論酸素量分の1が使用されるためである。
以上の式は【燃焼ガスの各成分の質量×比熱の和】÷【燃焼ガスの各成分の質量の和】
を意味する。
燃焼ガスの各成分の比熱については、数値を与えられているため。
各成分の質量を求める。
【mO2(酸素の質量)】
ポリプロピレン(C3H6)を完全燃焼させた反応式より
ポリプロピレン1kgあたりの理論酸素量(mO2)は、
mO2=9/2×O2÷C3H6で求められる。
それぞれの分子量を代入すると、
mO2=(9/2×16×2)÷12×3+1×6=3.429
となる
【mN2(窒素の質量)】
窒素の質量は理論酸素量と酸素と窒素の比から求められる。
理論酸素量から窒素の質量を求める式は
mN2=MAo(理論空気量)×N2/(N2+O2)
⇒mN2=MAo(理論空気量)×(1+N/O2)である
・MAo=MOo×(1+N2/O2)
・N2/O2=(14×2×0.79)÷(16×2×0.21)
を計算、代入することで、mN2が求められる。
【mCO2(二酸化炭素の質量)】
・炭素1kgを完全燃焼させるとできるCO2は
C+O2=CO2より
CO2÷C=(12+16×2)÷12=3.667㎏
・ポリプロピレン1kgに含まれる炭素量は
C3÷C3H6= (12×3)÷(12×3+6)=6/7
よって、mCO2=3.667×6/7となる
【mH2O(水蒸気の質量)】
・水素1kgを完全燃焼させるとできるH2Oは
H2+1/2×O2=H2Oより
H2O÷H2=9㎏
・ポリプロピレン1kgに含まれる水素量は
H6÷C3H6= (1×6)÷(12×3+6)=1/7
よって、mH2O=9×1/7となる
以上の数値を①に代入することで
ポリプロピレン1kgを空気比1.3で完全燃焼したときの定圧比熱を求めることができる。
【問題10-F】
・ポリプロピレン1kgを空気比1.3で完全燃焼したときの燃焼ガス温度を求める
公式 Q=mCΔT⇒ Q=mC(T1-T0)より
T1=Q/mC+T0…②
Qは低発熱量、mは燃焼ガスの質量の和、Cは燃焼ガスの定圧比熱、Toは初期温度なので、それぞれを②に代入すると、燃焼ガス温度が求められる。
【問題10-G,H】
問題10-E,Fと同様に計算することで説くことができる。
以上、
課目Ⅲ 問題10-E~H)の解説でした。